UX/Well-being/仕事のあり方

Taiki Kawakami
LSD LAB
Published in
2 min readAug 12, 2019

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ユーザーのためユーザーのためというけれど、具体的に何がユーザーのためになるのか。それを突き詰めると、「人は何のために仕事をするのか?」というところに行き着く。仕事の目的は、ありきたりな言葉だけど「世界の幸福の総量を増やすこと」だ。自分含めた全関係者の損得を足し算して、プラスが多ければ多いほどいい仕事ということになる。つまり我々はユーザーのためではなく、間接的でも世界全体のために仕事をしているということだ。では幸福とは何なのか。

最近ACTという心理療法を学んだ。ACTでは、感情や思考ではなく自分の価値観を指針にし、それに沿って行動し続けることが人生を充実させる唯一の方法であると定義されている。どんなに現状が悪くても、自分が価値だと思うことのために行動し続ければ幸福だという。(余談だが、ACTは心理療法とされているけれども、ミニマリズムやマインドフルネス、アドラー心理学などあらかたの自己啓発を内包した人生の指針になりうるものだと思っている。)

仮にこの定義に従うことにすると、人々が価値観に沿って行動し続けることを手助けすることが幸福につながり、我々はそのために仕事をしているということになる。逆に、何らかの要因で誰かの行動を大きく阻害するような仕事はするべきではないということだ。例えば強い中毒性があり止められないもの、役に立たないのに素晴らしいと思わせる広告、むやみに地球環境を破壊するものなど。

こんなことは当たり前なのだけれども、こういう会話が仕事でなされることがあまりないような気がする。この認識が基礎の基礎で、ようやく「その上でどうやってヤバイことするか」という議論ができるようになる。

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